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ハードディスクの省電力機能を CrystalDiskInfo を使って設定オフにしたときのメモ

メイン PC の HDD に Seagate ST2000DM001 を使っていますが、この HDD も含め最近の HDD は省電力機能がデフォルトで有効になっているものがほとんどかと思います。(Werstern Digital の HDD では 「IntelliPark」 という名前の機能を搭載)

本来なら電気代を少しでも節約できて、故障防止にも繋がるありがたい機能のはずなんですが、この機能が働くことで頻繁にヘッド (HDD の円盤上でデータを書き込んだり読み込んだりする先が先端状の物) が HDD の円盤から自動的に退避してしまいます。

この機能が働くことにより、読み取り書き込みなどの反応が遅くなる上、ヘッド退避時に機械音が発生してしまうため、PC 環境によっては非常に耳障りな音が発生してしまいます。

また、こういった動作が頻繁に発生することで、短期間でヘッド退避回数が数百~数千回、下手をすると数万回レベルに達してしまうため、頻繁なヘッド退避が機械的に大きな負担となってしまいます。

最近の HDD ではこのヘッド退避の回数 「ロード/アンロード サイクル」 が数十万回まで耐えられる仕様となっているものがあるようですが、PC の使用時間や使い方、HDD の仕様等によってはあっという間にこの回数に達してしまう可能性があります。

ちなみに Seagate ST2000DM001 の 「ロード/アンロード サイクル」 仕様は 「30 万回(300,000)」 のようです。

省電力機能を優先するあまりに、HDD の本来のパフォーマンスを落としたり、機械的負担を与えるようなことをして寿命を縮めてしまうようなことは避けたいため、これらの機能はできるだけ切っておきたいところです。

ただ、調べた範囲内ではそういった機能を完全に切るというのは、各社 HDD と型番によりますがどうも難しいようです。すべての HDD モデルをきちんと調べたわけでもないので間違っている可能性があります。

今回 Seagate の HDD を使用している PC 環境で、このヘッド退避を起こさないようにするため、Windows 上から HDD の設定を変更できる HDD/SSD ユーティリティソフト 「CrystalDiskInfo」 を使って設定してみることにしました。

すべての HDD でこの設定ができるとは限りません。

ハードディスクの省電力機能を CrystalDiskInfo を使って設定オフにしたときのメモ


CrystalDiskInfo の AAM/APM 設定を開く

CrystalDiskInfo」 を事前にインストール、またはポータブル版をダウンロードして起動できる状態にしておきます。今回の記事では バージョン 5.6.2 のものを使用しています。

同じようなソフトに 「Hard Disk Sentinel」 というのがあります。今回 Hard Disk Sentinel は使用してないので簡単な説明のみとしますが、対応しているコントローラーが多いためか CrystalDiskInfo より豊富な機能と設定ができるようです。PC 環境によってはこちらを使用してみるのも視野に入れておいたほうがいいかもしれません。

難点は有料版(トライアル版から機能制限別の複数バージョンといろいろとある)ですが、本格的に使いたい人はこちらを使うことになるかと思います。以前は日本語はなかったと思いますが、最新版では最初から日本語対応となっています。

CrystalDiskInfo を起動して、メニューから 「機能」 - 「上級者向け機能」 - 「AAM/APM 設定」 をクリック

CrystalDiskInfo を起動して、メニューから 「機能」 - 「上級者向け機能」 - 「AAM/APM 設定」 を開きます。

AAM/APM 設定の電源管理 (APM) 80h を FEh に変更

CrystalDiskInfo の AAM/APM 設定設定画面、画面上部に現在選択中の SSD/HDD が、電源管理(APM) を変更したい場合は、このリストから変更したい SSD/HDD を選択、電源管理(APM)はデフォルトで 80h に設定

AAM/APM 設定」設定画面が開きます。画面上部に現在選択中の SSD/HDD が表示されています。電源管理(APM) を変更したい場合、このリストから変更したい SSD/HDD を選択しておきます。

Seagate ST2000DM001 の初期値は 「80h」 (スライドバー 中央) になっていました。

CrystalDiskInfo の AAM/APM 設定設定画面にて、電源管理(APM) のスライダーを FEh(パフォーマンス ON) に変更して有効ボタンをクリック

電源管理 (APM)」 を一番右端のパフォーマンス(FEh)側へスライドさせます。「有効」 ボタンをクリックして設定完了です。PC 環境によってはここの設定を操作できないことがあります。

他の SSD/HDD も同じ設定にしたい場合、リストから該当する SSD/HDD を選択して同じように設定します。

上級者向け機能で 「自動的に AAM/APM 設定を適用する」 を有効

CrystalDiskInfo のメニューから 「機能」 - 「上級者向け機能」 - 「自動的に AAM/APM 設定を適用する」 をクリック、CrystalDiskInfo 起動時に HDD に設定した電源管理(APM)を反映

先ほど設定した内容だけでは PC の電源を切った後や再起動後などで設定が無効になってしまうため、Windows 起動中は常に 「電源管理 (APM)」 が有効になるように設定を行います。

メニューから 「機能」 - 「上級者向け機能」 - 「自動的に AAM/APM 設定を適用する」 にチェックマークを入れます。これで、CrystalDiskInfo が起動したら自動的に 「電源管理 (APM)」 の設定が反映されるようになります。

CrystalDiskInfo の 「スタートアップ」 を有効

CrystalDiskInfo のメニューから 「機能」 - 「スタートアップ」 をクリック、PC 起動時に自動的に CrystalDiskInfo が起動するようにする

PC 起動時に自動的に CrystalDiskInfo が起動するようにするため、メニューから 「機能」 - 「スタートアップ」 にチェックマークを入れます。手動で CrystalDiskInfo を起動するのであれば、この設定は不要です。

CrystalDiskInfo の 「常駐」 を有効

CrystalDiskInfo のメニューから 「機能」 - 「常駐」 をクリック、CrystalDiskInfo 起動時にタスクトレイに常駐するようにする

タスクトレイに常駐させたい場合は、メニューから 「機能」 - 「常駐」 にチェックマークをいれます。PC 起動時にタスクバーに表示されてしまう場合は、「上級者向け機能」 の 「常駐形式」 が 「最小化」 になっていれば 「非表示」 に変更します。

タスクトレイに CrystalDiskInfo のアイコン(HDD の温度表示)が常駐するようになれば、問題なく動作していることになります。

あとはしばらく PC を使用して、HDD の S.M.A.R.T. 情報 「ロード/アンロードサイクル回数(C1)」 が異常に増えないかどうか確認しつつ、HDD から機械音(ヘッド退避)が発生しないかどうか様子を見ることになります。

CrystalDiskInfo の自動更新を 「60 分」 に変更

CrystalDiskInfo のメニューから 「機能」 - 「自動更新」 から 60 分をクリック、頻繁に自動更新する必要はないと判断して最長の 60 分を選択

CrystalDiskInfo メニューから 「機能」 - 「自動更新」 を 60 分に設定しています。

この設定についてですが、現在の PC 環境では常に S.M.A.R.T. 情報をモニタリングする必要はなく、また特に根拠はありませんが頻繁な自動更新によるモニタリングは HDD/SDD に多少なりとも負荷を与えてしまうのではないかと思い、最長時間の 「60 分」 に自動更新を設定しています。

CrystalDiskInfo C1 ロード/アンロード サイクル回数 項目

この画像は手持ちの Seagate HDD ST2000DM001 の中で、「C1 ロード/アンロード サイクル回数」 の値が一番大きい、メイン PC でシステムドライブとして使っている HDD の S.M.A.R.T. 情報です。

ロード/アンロード サイクル回数」 の 「生の値」 を見ると 「1E6」 となっています。これは 16 進数の値のため、10 進数に変換すると 「486」 となります。

Seagate ST2000DM001 の 「ロード/アンロード サイクル回数」 が 「30 万回(300,000)」 という仕様で、HDD の使用時間が 5000 時間超という長時間の使用状況の中で、非常に少ない値(回数)であることがわかり、CrystalDiskInfo の APM 設定がきちんと反映されていることが確認できます。

大容量ハードディスク使用時 Windows 7 起動遅延トラブル修正プログラム(KB2505454)インストール

HDD のヘッド退避とは別問題なのですが、Windows 7 にて 2TB 以上 の大容量ハードディスクを使用している場合に、Windows の起動時間が遅くなるという現象があるらしく、それを修正するためのプログラム(HotFix)が Microsoft サポートにて公開 されています。

修正プログラムは 32 bit と 64 bit に分かれており、ダウンロードするためにはメールアドレスを入力することで、折り返しダウンロードリンクのメールが届くというちょっと面倒な仕組みとなっています。

ちなみに、PC の初期セットアップの段階で修正プログラムをインストールしたので、この問題には遭遇していません。2TB 以上の HDD を Windows 7 の環境下で接続した場合は、Windows の起動時間を確認したほうがよいかもしれません。