シリアルATA の LPM 無効化設定メモ Intel ドライバー編
SATA (シリアル ATA) の Link Power Management(以下、LPM) を無効化にしたときの設定メモです。
LPM を無効化にする方法は PC 環境によって違うようですが、今回紹介するは私の PC 環境で LPM 無効化するまでの過程を、各種ネット情報と照らし合わせながら設定した時の内容です。(設定した時期は 2013年)
この LPM 無効化は主に SSD (HDD 含む?) で発生するプチフリに対して行う有名な対策方法だと思いますが、OS をインストール後の初期のセットアップの段階で設定・対策したためか、そのトラブルに遭遇していません。
また、今回記事にするにあたって、メイン PCの マザーボード ASUS P8Z68-V PRO/GEN3 に接続している HDD が Seagate ST2000DM001 のみの構成となっており、SSD は使っていません。
同時期に一緒に同じ設定をした サブ PC では、マザーボードに ASUS P8Z68-V LE、OS がインストールされたシステムディスクに SSD(Intel SSD 120GB SSDSC2MH120A2K5) とデータ用 HDD に Seagate ST2000DM001 という PC 構成になっています。設定方法自体に特に違いはなくトラブルも特になかったので、今回の記事では サブ PC に関する設定については説明を省いています。
以上の内容により、この LPM 無効化設定メモが必ず効果がある内容かどうかはわかりませんので、ご注意ください。
2017年に HDD から Crucial の SSD に移行した記事を公開 しました。
OS のレジストリをいじりますので、誤った設定・変更した場合、最悪 OS が起動不能になり再インストールが必要になることがあります。レジストリの変更により発生した問題に関しては、一切責任を負いませんので、自己の責任で行ってください。
LPM について
LPM については下記の参考サイトで非常に詳しく解説されているので、そちらが参考になるかと思います。
LPM 無効化 - BIOS で HotPlug を有効
LPM を手っ取り早く無効化するには、「BIOS にて SATA Mode が AHCI になっている時に、HotPlug を有効(Enabled)にする」 というのが一番かんたんな方法です。
ASUS P8Z68-V PRO/GEN3 の BIOS 設定変更後の SATA 設定画面です。(画像上側が英語メニュー、下側が日本語メニュー)
「SATA Mode Selection(SATA コントローラー 動作モード」 が 「AHCI」 になっており、 SSD・HDD が接続している 「Hot Plug(ホットプラグ)」 の項目を 「Enabled(有効)」 に設定します。
SATA(AHCI) Driver の確認
引き続き、「忘却の彼方」 さんの記事を参考にレジストリの変更作業をすることになりますが、このレジストリ変更はインストールしている AHCI ドライバー(Microsoft の純正 AHCI ドライバー、または Intel ドライバー)によって変更箇所が異なっています。
どの AHCI ドライバーを使っているのかを調べる方法については、「イツキの爪磨ぎ跡」 さんの記事を参考にして確認してみます。
「デバイスマネージャー」 を開きます。
「IDE ATA/ATAPI コントローラー」 を開くと、この PC 環境では 「Intel(R) Desktop/Workstation/Server Express Chipset SATA AHCI Controller」 があり、おそらく Intel ドライバーを使っているであろうと推測することができます。
「デバイスマネージャー」 の 「表示」 から 「デバイス(接続別)」 をクリックします。
先ほど表示されていたツリー情報が大きく変わります。
PC 環境によって変わるみたいですが、この PC では 「ACPI x64-based PC」 - 「Microsoft ACPI-Compliant System」 - 「PCI バス」 - 「Intel(R) Desktop/Workstation/Server Express Chipset SATA AHCI Controller」 の下に接続している HDD 一覧がありました。
以上の内容から、Intel ドライバーを使用していることがわかりましたので、この情報をもとにレジストリの変更を行うことになります。
ただし、Intel ドライバーでもバージョンによってレジストリの修正個所が異なるため、次の内容を確認しておく必要があります。
「Intel(R) Desktop/Workstation/Server Express Chipset SATA AHCI Controller」 を開き、「ドライバー」 タブからバージョンを確認すると 「12.8.0.1016」 となっているので、これを覚えておきます。
「ドライバーの詳細」 をクリックすると、「iaStorA.sys」、「iaStorF.sys」 を使用しているのがわかります。こちらも覚えておきます。
Intel Rapid Storage Technology(IRST) のバージョン確認
この PC 環境ではすでに 「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 がインストール済みとなっています。
タスクトレイに 「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 のアイコンがありますので、これをダブルクリック、もしくは右クリックから 「アプリケーションを開く」 をクリックして開きます。
「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 画面が開いたら 「ヘルプ」 をクリックします。
「バージョン情報」 をクリック。
「インテル ラピッド・ストレージ・テクノロジー 12.8.0.1016」 と表示されているのが確認できました。
このバージョンは先ほど 「デバイスマネージャー」 で確認した 「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 のバージョンと 同じ であることがわかります。
つまり、「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 をインストールした PC は、その 「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 のバージョンと同じ Intel ドライバーを使用しているであろうということが推測できます。
Intel Rapid Storage Technology(IRST) バージョン 11.5 以降のレジストリ書き換え
Intel ドライバー Intel Rapid Storage Technology(IRST) を使用してる場合、バージョンが 「11.5 以降のバージョン」 と 「11.5 より前のバージョン」 によってレジストリの変更箇所が異なります。
上記リンク先サイトではドライバのバージョンが 11.5 より前では 「iaStor.sys」 と 「iaStorV.sys」 が、11.5 以降では 「iaStorA.sys」 と 「iaStorF.sys」 のドライバーファイルが使われていることが説明されています。
以上の内容から、「デバイスマネージャー」 の ドライバのファイル名 ・ バージョン と 「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 で調べた内容より、バージョンが 「12.8.0.1016」、ファイル名は 「iaStorA.sys、iaStorF.sys」 だったので、11.5 以降のバージョンに該当しますので、こちらの内容でレジストリを変更すればよいことになります。
「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 バージョン 11.5 以降で変更するレジストリは 「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\iaStorA\Parameters\Device
」 にアクセスしてキーを作成して設定することになっていますが、レジストリエディタを起動させなくても 「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 の設定から直接一部のレジストリキーを Enable(有効)、Disable(無効)に設定することができます。
「Intel Rapid Storage Technology(IRST)」 を開き、「パフォーマンス」ボタンをクリックします。
「電源とパフォーマンスの設定」 - 「リンク電源管理」 が初期値では 「有効」 になっているかと思います。
この状態でレジストリエディタから 「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\iaStorA\Parameters\Device
」 を見ると、ハードディスクに接続しているポート番号のみ(※) 「DIPM」 と 「HIPM」 が 「1 (Enable)」 になっています。
※ この画像内にある 「Controller0Phy3 ~」 には SSD や HDD などのストレージデバイスは接続していません。よく覚えていないのですが、以前 HDD とマザーボードの SATA 接続先ポートを変更したことがあったので、一度接続したことがあるポートはレジストリ上ににそのまま残ってしまうのかもしれません。
次に 「電源とパフォーマンスの設定」 - 「リンク電源管理」 を 「無効」 にしてみます。
ハードディスクが接続してあるポート番号のみ、「1 (Enable)」 から 「0 (Disable)」 に変わりました。念のため PC 再起動を行い設定完了です。
この方法はレジストリキーの 「DIPM」 と 「HIPM」 のみを有効、無効に変更するだけとなっており、「LPMState」 と 「LPMDstate」 のレジストリキーの設定と変更は行わないようです。
Intel Rapid Storage Technology(IRST) アンインストール後のデバイスマネージャー
Intel ドライバー Intel Rapid Storage Technology(IRST) をアンインストールした際に、デバイスマネージャーではどのように表示されるのか確認した時のメモです。アンインストール後は こちらの記事 で LPM を無効化しています。
Intel ドライバー Intel Rapid Storage Technology IRST アンインストール後のデバイスマネージャー画面です。
IDE ATA/ATAPI コントローラー以下に 「ATA Channel 0~5」 と 「Intel 6 Series/C200 Series Chipset Family 6 Port SATA AHCI Controller - 1C02」 が表示されています。(マザーボードは ASUS P8Z68-V PRO/GEN3)
「ATA Channel 0~1」 が重複されていますが、おそらく当時 SATA Marvell ポートを IDE で設定しており、2ポート分が 「ATA Channel 0~1」 として表示していたからだと思います。後に AHCI に変更して Marvell SATA ドライバをインストールしたのですが、重複していた 「ATA Channel 0~1」 はなくなっていました。
Intel ドライバー Intel Rapid Storage Technology IRST アンインストール後、デバイス(接続別)に変更表示したデバイスマネージャー画面です。
PCI バスに Intel 6 Series/C200 Series Chipset Family 6 Port SATA AHCI Controller - 1C02 が表示され、以下に 「ATA Channel 0~5」 とそれぞれのポートに接続している HDD の型番が表示されています。
Intel 6 Series/C200 Series Chipset Family 6 Port SATA AHCI Controller - 1C02 のドライバー画面とドライバーファイルの詳細画面です。
「atapi.sys」、「ataport.sys」、「pciidex.sys」 3つのファイルバージョンは 「6.1.7600.16385 (win7_rtm.090713-1255)」 となっており、「msahci.sys」 のファイルバージョンは 「6.1.7601.17514 (win7sp1_rtm.101119-1850)」 となっていました。
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