PS3 コントローラーの誤作動(Random Button Press)を完璧に直す方法
2011年に購入した PlayStation 3 チャコール・ブラック 160GB CECH-3000A 付属の デュアルショック 3 ワイヤレスコントローラー(CECHZC2JA1) の誤作動をきっかけに本格的なコントローラーのメンテナンスをやってきました。
これまでにコントローラー本体を分解からクリーニング、組み立てて元に戻すまでの一連の作業を行っています。ただし、軽量化のために取り外した振動モーターは、軋(きし)み音発生のため元に戻しています。
今回の記事では今までのメンテナンス作業では解決できなかった デュアルショック 3 ワイヤレスコントローラー(CECHZC2JA1) の誤作動(PS3 DUALSHOCK 3 Random Button Press) を解決するため、試行錯誤した内容と完全に誤作動がなくなった修理方法を紹介します。
コントローラー誤作動の主な症状は 各ボタンやアナログスティックを強く押したり、コントローラー本体を強く握ったり、(あまりやらないのですが)ねじったりすることで、押してもいないボタンが勝手にランダムに反応してしまい、まともに操作ができなくなる症状です。
アナログスティック本体故障による誤入力、フレキシブル(フィルム)基板とラバーパッド接点部分の劣化・摩耗の場合、この方法では直せません。
PS3 DUALSHOCK 3 コントローラーのバッテリーに、ティッシュの代わりにゴムシートを挟む(不採用事例)
DUALSHOCK 3 (デュアルショック 3) コントローラーを分解した時の取り外したプラスチックカバー の内部に、黒いスポンジ状(画像赤枠)のものが貼ってあります。
これは コントローラーの電子回路基板とフレキシブル基板の接点が接触するところ のちょうど反対側に位置する場所で、このスポンジが貼られていることで基板の接点がきっちり固定する役割を果たしているようです。ちなみに フレキシブル基板の接点部分にも固定用スポンジがあります。
このスポンジが経年劣化で反発力が弱くなることで、電子回路基板とフレキシブル基板の接点が接触しているところが弱まるため、誤作動の原因になる ものと考えられます。
プラスチックカバーにある接点固定用スポンジが経年劣化で誤作動した場合の解決方法として、スポンジとバッテリーとの間に ティッシュ を挟むというやり方が 2015年時点ではネットで有名な修理方法です。
また、ティッシュ を挟む方法以外にも 輪ゴム を使ってフレキシブル基板を縛ってしまう方法もありますが、いずれも電子回路基板の接点とフレキシブル基板の接点シートを固定させるという点では、最終的に同じ対処方法になります。
ただ、バッテリーにティッシュを挟むという方法にどうしても抵抗があったので(もう一つの輪ゴムの場合も劣化で途中で切れるのではないかという不安もあり)、電子機器類にはなるべく可燃性のものはなんとなく入れたくないという思いがありました。
これは Xbox 360 コントローラーをメンテナンスするときに見つけた記事の引用なのですが・・・
コントローラの十字キーの押し動作によって厚紙の圧縮・開放を繰り返す為、厚紙に起こる疲労・劣化現象からゴミ・ホコリが発生し、それらがコントローラ内部の基板の通電部と接触することにより発火の原因となる可能性があるのではないだろか!?
発火まではいかなくても、おそらく厚紙はコントローラの中でボロボロになるでしょう。接点不良とか起こしかねない。劣化を防ぐには、厚紙をやめて成形品にすればよいわけで。
Xbox 360 コントローラのメンテと第 38回狩人祭 | なんでそうなるの?
という内容をみて、いろいろ考えた結果 以前購入した 杉田エース 天然ゴムシート板 NR-5 厚さ 1mm をバッテリーのサイズ 3.5cm(35mm) x 5.8cm(58mm) にカットして間に挟むことにしました。
ここでは手持ちのゴムシートを使っていますが、ほかの素材(プラ板など)でも解決した報告例をみますので、可燃性や導電性のものじゃなければ身近なもので代用できるかと思います。
バッテリーのサイズ 3.5cm(35mm) x 5.8cm(58mm) にカットした 杉田エース 天然ゴムシート板 NR-5 厚さ 1mm を間に挟むことで、DUALSHOCK 3 (デュアルショック 3) コントローラーの誤作動は軽減されました。
しかし、完璧に直ったところまでには至らず、コントローラーを局所的に強く押したりすると、勝手にボタンが入力される状態には変わりありませんでした。
次に 以前 2 cm x 2cm 角にカット して余っていた 杉田エース 天然ゴムシート板 NR-5 厚さ 1mm があったので、これをプラスチックカバーにあるスポンジの部分に接触するように配置してみましたが、先ほどと同じ結果となりました。
残念ながら私が所持している デュアルショック 3 ワイヤレスコントローラー(CECHZC2JA1) では、バッテリーに何かを挟む方法では完全に直すことはできませんでした。
ただ、応急処置としてはコントローラの分解を最小限に抑え手っ取り早く試せる方法ですので、一時的な対処として有効でしょう。
PS3 DUALSHOCK 3 コントローラー フレキシブル基板のスポンジ材付き接点シートにゴムシート 1 枚を追加(採用事例)
バッテリーにゴムシートを挟む方法では完璧にコントローラーの誤作動を直すことができず、別の対処方法を調べてみると・・・
フレキシブル基板の接点シートに黒い長方形のスポンジ(画像赤枠)があるのですが、その下にあるプラスチック枠の部分に何か適当なものを挟むことによって、誤作動が解決する という情報を見つけました。
バッテリーのところにティッシュで挟む方法が有名なためか、この接点シートの部分を指摘している日本語情報は 2015年時点ではほぼなく、当時はよーく検索しないとなかなか見つからない情報でした。
Youtube では 「DUALSHOCK 3 Random Button Press」 で検索してみると、フレキシブル基板の接点シートの部分に詰め物を入れて解説している動画がいくつか公開されています。
DUALSHOCK 3 (デュアルショック 3) コントロールを分解して電子回路基板だけを取り外すと、画像のようにフレキシブル基板の接点シートが見えるようになります。
接点シートの透明フィルム両脇を赤矢印の方向に持ち上げ外します。
取り外したフレキシブル基板の接点シートには黒いスポンジが取り付けられています。
取り外したフレキシブル基板の接点シートと接点固定用スポンジの下に、スポンジとほぼ同じサイズの長方形のプラスチック枠があります。
このプラスチックの枠に適当なものを詰め込むことで、接点シートと電子回路基板の接点との接触状態が改善 します。
接点シートの接点固定用にプラスチック枠に入れる詰め物用として 杉田エース 天然ゴムシート板 NR-5 厚さ 1mm を 5mm x 22mm サイズにカットしたものを使用します。
5mm x 22mm サイズにカットした 杉田エース 天然ゴムシート板 NR-5 厚さ 1mm を接点シートスポンジ固定用プラスチック枠に入れます。
ほぼ真横から撮影した画像のため、カットしたゴムシートが見えない状態ですが、赤矢印の方向にきちんとセットしてあります。
ちなみにこの 黒いスポンジにはプラスチック枠の跡がくっきりと残っていました。このスポンジが経年劣化で反発力が失われると基板との接触がゆるむため、コントローラーが誤動作する一番大きな原因と考えられます。
電子回路基板をセットして USB 端子コネクタ側 側面真横からみてパーツに歪みがないかどうか確認します。
これは接点シートの部分に厚みが大きいものをセットすると、その部分だけがゆがんでしまい、コントローラーを元に戻せなくなったり、ボタンが押せない状況になったりする可能性があるためです。
プラスチックカバーがスムーズに仮止めできて、コントローラー全体に歪みや各ボタンの感触に違和感がないことを確認したら、元通りに組み立てます。
DUALSHOCK 3 (デュアルショック 3) コントローラーの動作確認を行い、誤作動が完全になくなれば修理完了です。
ティッシュや輪ゴムを使った方法で直らないようでしたら、是非この方法を試して見てください。
PS3 DUALSHOCK 3 コントローラー フレキシブル基板のスポンジ材付き接点シートにゴムシート 2 枚+両面テープを追加(失敗事例)
以下、フレキシブル基板の接点シートと電子回路基板の接点の固定方法をゴムシート 1 枚だけではなく、より確実に接点部分を固定しようとしてゴムシート 2 枚+両面テープを組み合わせた方法で試してみたときの内容です。
こちらの方法ではゴムシート 2 枚分+両面テープ分の厚みがあるためコントローラーが歪んでしまい、一部のボタンが押せない状態となってしまったため不採用となりました。失敗事例ですが記録として残しておきます。
作業内容の過程は折りたたみ機能で非表示にしてあります。クリックで (失敗事例)ゴムシート 2 枚+両面テープの組み合わせで接点シートを固定した内容(失敗事例)が表示されます。
- PS3 コントローラーをメンテナンスするため分解してみました その1
- PS3 コントローラーをメンテナンスするため分解してみました その2
- PS3 コントローラーをメンテナンスするため分解してみました その3
- PS3 コントローラーをメンテナンスするためクリーニングしてみました
- PS3 コントローラーのメンテナンス後に元通りに組み立てました その1
- PS3 コントローラーのメンテナンス後に元通りに組み立てました その2
- PS3 コントローラー持ち手の軋み音発生のため、メンテナンス時に取り外した振動モーターを元に戻しました
- PS3 コントローラーの誤作動(Random Button Press)を完璧に直す方法(現在開いているページ)
- PS3 コントローラーに操作性が向上するアタッチメントを装着してみました
- PS3 コントローラーにキズ・汚れ防止とグリップがよくなるゴムカバーを装着してみました
- PS コントローラー(デュアルショックシリーズ) にゲームのプレイが快適になるシリコンコントローラーカバーを装着してみました
- PS2 コントローラーをメンテナンスするため分解とクリーニングしてみました
- PS2 コントローラーのメンテナンス後に元通りに組み立てて、動作確認をしました
- PS コントローラー(デュアルショック エメラルド)をメンテナンスするため分解とクリーニングしてみました
- PS コントローラー(デュアルショック エメラルド)のメンテナンス後に元通りに組み立てて、動作確認をしました
- PS コントローラー(デュアルショック)をメンテナンスするため分解してみました
- 黄ばんだ PS コントローラー(デュアルショック)の漂白とクリーニングをしてみました
- PS コントローラー(デュアルショック)のメンテナンス後に元通りに組み立てて、動作確認をしました
- PS コントローラーをメンテナンスするため分解してみました
- PS コントローラーの黄ばみ取りとクリーニングを行い、メンテナンス後に元通りに組み立てて、動作確認をしました
- Xbox 360 コントローラー(ホワイト)のメンテナンスと十字キー改造のため分解してみました
- Xbox 360 コントローラー(ホワイト)の十字キーをカグスベールで改造してみました
- Xbox 360 コントローラー(ホワイト) メンテナンスと十字キー改造後に元通りに組み立てました
- Xbox 360 コントローラー(ブラック)の十字キー改造のため分解してみました
- Xbox 360 コントローラー(ブラック)の十字キーをカグスベールで改造してみました
- Xbox 360 コントローラー(ブラック) 十字キー改造後に元通りに組み立てました
- Xbox 360 コントローラー本体のキズやホコリ、手垢を防ぎグリップがよくなるシリコンカバーを装着してみました
- Xbox 360 コントローラーのケーブル断線対策をしてみました
- Xbox 360 コントローラーのアナログスティック干渉トラブルのため、アナログスティックの高さを調節改造してみました
- 黄ばんだ Xbox 360 コントローラー (ホワイト) を漂白剤で白くしてみました
- ゲームコントローラーをメンテナンスするためのスプレーをそろえてみました
- スプレーを使って PS3 コントローラー(デュアルショック 3)をメンテナンスしてみました
- スプレーを使って PS2 コントローラー(デュアルショック 2)をメンテナンスしてみました
- スプレーを使って PS コントローラー(デュアルショック エメラルド)をメンテナンスしてみました
- スプレーを使って PS コントローラー(デュアルショック)をメンテナンスしてみました
- スプレーを使って初代 PS コントローラー(デュアルショックなし)をメンテナンスしてみました
- スプレーを使って Xbox 360 コントローラー(ブラック)をメンテナンスしてみました
- スプレーを使って Xbox 360 コントローラー(ホワイト)をメンテナンスしてみました
- Xbox360 コントローラーと PS3 コントローラーを PC で使うために非公式ドライバやツール、設定に関するネット情報を集めてみました
To awgsさん
お返事ありがとうございます!
ティッシュや輪ゴムで直すやり方に疑問を持っていたので、
長年経っても誤動作が発生しない直す技術の情報は大変助かります!
ありがとうございます!!!