PC のケースファンから異音が発生したので、グリスを塗って修理してみました
2012~2013年ごろに PC ケース Antec Three Hundred Two AB の専用ケースファンとして組み込んだ GELID Silent12 ハイドロダイナミックベアリング 120mm ファン ですが、稼働しているファンの一つから不定期に(特に冬の寒い時間帯に)異音が発生するようになってしまいました。
新しいファンに買い替えて交換することを考えていましたが、なんとか簡単に直す方法がないかとネットで調べてみたところ、このファンのブレード(羽根)は押し出すだけで簡単に取り外せることがわかりました。
さらに調べてみると、ファンの軸にグリスなどの潤滑剤を塗ることで、ファン異音がなくなる可能性があることがわかりましたので、ダメ元でケースファンを修理してみます。
本記事のファン修理方法については、ネット上で調べて見つけた修理事例をもとに、実際に試してみたファンの修理記事です。完全に素人判断でやっていることなので、かえって症状が悪化したり最悪故障する可能性があります。
タミヤ モリブデングリス 購入
今回ケースファンの潤滑剤として購入した タミヤ モリブデングリス です。同社から タミヤ セラグリス HG もあり、どちらのグリスでもファン用潤滑剤としてよく使われるようです。難点は容量の割に値段が高いところです。
こちらにモリブデングリスとセラミックグリスを使い分ける目安となる情報があります。この辺の情報とファンの軸・軸受けの材質など考慮すればベストなグリスを選択できるかもしれませんが、そこまで気にする必要はないかもしれません。
チューブタイプのグリス以外では、KURE グリースメイト などのスプレーグリスでのファン修理事例がネット上にたくさんあります。特にノートパソコンに搭載している専用の薄型ファンに関する情報が多いようです。
ほかにもシリコングリス(KURE シリコングリースメイト、KURE シリコングリースメイト ペースト、キタコ(KITACO) シリコーングリス)、ウレアグリス(KURE ウレアグリース)、リチウムグリス(KURE リチウムグリース) などなど、これらのグリスを使ったファン修理情報もあります。
注意点として石油系溶剤のグリスの場合、樹脂(ゴム・プラスチック)を侵すことがあるため、樹脂への使用が OK なシリコングリス、もしくは樹脂を侵さないことが明記されているグリスを使うようにしたほうが安全でしょう。
適切な潤滑剤をファンの軸や軸穴に塗布(とふ)・注入すれば十分効果がありますが、処置後の耐久性に関してはグリスの成分に左右されるところがあり、どのグリスがベストなのか、この辺の判断が難しいところです。
タミヤ モリブデングリス 付属のノズルキャップです。
青キャップ反対側にあるトゲの部分に、タミヤ モリブデングリスチューブを差し込んで開封します。
青キャップでチューブ開封後に中のグリスが勝手に出てきますので、すぐにノズルキャップを取り付けます。
これで タミヤ モリブデングリス を使う準備が整いました。
GELID Silent12 ケースファンの軸と軸受け・軸穴にタミヤ モリブデングリスを塗布(とふ)
約 3年間(24時間×365日×3年=26,280時間以上)の連続稼働で PC ケース Antec Three Hundred Two AB のケースファンとして使い続けてきた GELID Silent12 ハイドロダイナミックベアリング 120mm ファン です。
今回異音が発生したケースファンは、PC ケースフロントの吸気ファンとして使っていたものです。
PC ケース前面フロントパネルのフロントメッシュ、ダストフィルターでケース内部へのホコリの侵入を防いでいることもあり、年に数回エアーダスターでホコリを取り払ったりしているせいか、細かいチリ・ホコリが付着しているもののホコリの塊がびっしりつくほどの汚れはありませんでした。
GELID Silent12 本体からブレード(羽根)を取り外したところです。ブレード(羽根)をファン本体から押し出すようにすれば、簡単に外れる仕組みになっています。このファンだけに限らず、他社のファンでも同じように簡単に外れるものがあるようです。
グリスを塗る前に、ケースファンに付着したホコリ汚れを取り除いてきれいにおきます。
GELID Silent12 ケースファン本体の軸受け・軸穴です。この軸穴とその周辺部分に新しいグリスを注入します。
新しいグリスを注入する前に古いグリスはきれいに取り除くことが本来望ましいようですが、面倒だったので今回はやりませんでした。
こちらは取り外した GELID Silent12 ブレード(羽根)軸です。この軸にグリスを塗布(とふ)します。
こちらも同様に古いグリスを取り除ききれいにしてから、新しいグリスを塗布(とふ)したほうがよかったのですが、同じく割愛。
後日、別のケースファンや CPU ファンで同じ方法でメンテナンスした際に、ファン軸周辺部分については無水エタノールとキムワイプを使って古いグリスをきれいにふき取りました。
GELID Silent12 ケースファン本体の軸受け・軸穴に タミヤ モリブデングリス を盛り付けたところです。
特になにも考えずにグリスを注入してしまいましたが、グリスチューブのノズルキャップでしっかり軸穴に密着しておけば、もっとピンポイントに軸穴にグリスを注入できたのでそっちのほうがよかったかも。
注入したモリブデングリスはつまようじで軸穴に押し込みます。
GELID Silent12 ブレード(羽根)軸の先端に タミヤ モリブデングリス を塗布して、そのまま軸穴に差し込みファンを回転させグリスをなじませます。
その後、ケースファン軸の先端だけじゃなく軸全体にグリスを塗布(とふ)したほうがよかったのかなと思い始めたので、今度はファン軸全体につまようじを使って、タミヤ モリブデングリス を軸全体に塗って元に戻してもう一度グリスをなじませました。
ケースファンを元通りに組み立てなおして PC ケースに組み込み、電源を入れて問題なくファンが回転するかどうか確認します。
グリスを塗ってから 1 週間ほど様子を見ましたが、ファンから発生していた不快な異音は完全になくなり、ファンの異音修理は一応無事完了した模様です。
ただ、この PC ケース Antec Three Hundred Two AB はフロントファンを 2 基並べて設置できるのですが、回転しているファン 2 つを並べて見比べてみますと、グリスを塗ったファンのほうのブレード(羽根)の回転数が若干落ちている、または回転数が一定にならないことがありました。しばらくファンを回し続ければ、一定の転数に落ち着くかと思います。
今回の タミヤ モリブデングリス を使ったファン異音の修理は大成功です。あとはこの状態でどれくらい持つかは未知数なので、当面は様子を見ながらケースファンを使っていくことになります。
ファン異音が直ったら PC ケースの振動がなくなった?
今回のファン軸にグリスを塗ったことにより異音を解決することができましたが、それとは別にあることに気が付きました。
以前からファンの異音が発生していた PC ケースでは(特に部屋が寒くなる冬の時期に)振動がたびたび発生しており、過去に何度か振動対策をしてやっとある程度は気にならないレベルまで試行錯誤したことがあります。
それでも完全に振動がなくなったとは言えずその辺はほぼ諦めていましたが、今回の異音が発生したファンを修理してみたところ、PC ケースからの振動はほぼ皆無と言っていいほど静かになり、PC ケースを触っても以前から発生していた微弱な振動もほぼなくなりました。
いくつか振動の原因となるデバイス(HDD、ファン)を多数積んでましたけど、どうも PC ケース Antec Three Hundred Two AB 振動の真犯人は、異音が発生していたケースファン GELID Silent12 ハイドロダイナミックベアリング 120mm ファン が濃厚だったようです。
PC ケースにケースファンを取り付ける際に振動対策として 防振ゴムワッシャー または 防振ラバーブッシュ を使用していました。ただ、ケースフロントのファンには取り付けスペースの関係から 防振ゴムワッシャー を選択していたため、ケースファンから発生した振動を完全に吸収できなかったのかもしれません。
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こういうのは動画で投稿してくれると助かるなー