Borderless Gaming を使ってゲーム画面のアスペクト比を維持したまま、ウィンドウ枠を消去してボーダーレスウィンドウ(仮想フルスクリーン)でゲーム画面を表示する方法
使用している液晶モニターの解像度が WUXGA (1920 x 1200 アスペクト比 16:10) なのですが、DARK SOULS II SCHOLAR OF FIRST SIN (DirectX 11 対応版) をプレイする時に使いたい表示方法と対応解像度がないという致命的な仕様があります。
ゲームをフルスクリーンモードでプレイする時は解像度 1920 x 1200 が用意されているので、WUXGA モニター上でフルスクリーンでプレイするには問題ありません。
またフルスクリーンモードでは 解像度 1920 x 1080 も用意されているため、フル HD モニター (1920 x 1080 アスペクト比 16:9) の場合でもフルスクリーンでプレイする場合でも特に問題ありません。
問題となるのは、フルスクリーンからウィンドウモードに変更すると、解像度がフル HD (1920 x 1080 アスペクト比 16:9) までしか用意されておらず、さらにウィンドウモードのためゲーム画面の縦横にウィンドウ枠が表示されてしまうので、ゲーム画面を手動でモニター画面外にはみ出すことなくモニター内に完璧に表示させることが困難 になることです。
また、フル HD モニターを使っている人でもウィンドウモードで 1920 x 1080 に変更するとウィンドウ枠が表示されてしまうため、フル HD モニター画面内に手動でゲーム画面を完璧に表示させるのも同様に難しいでしょう。
ゲーム内で仮想フルスクリーン(ボーダーレスウィンドウ)が用意されていればこのような苦労はないのですが、DARK SOULS II SCHOLAR OF FIRST SIN (DirectX 11 対応版) では設定できません。おそらく、DirectX 9 版にもこの仮想フルスクリーンの設定はないと思われます。
そこで出番となるのが 仮想フルスクリーン(ボーダーレスウィンドウ)にできるソフトウェアを使う ことです。このツールに関しては 以前の記事 でかんたんに紹介しています。
これらのソフトウェアはいくつかあり、基本的にどれも仮想フルスクリーンで動作しますので、アスペクト比が崩れずゲーム画面が表示できるのであれば、あとは使い勝手や機能など好みで選ぶことになります。
仮想フルスクリーン(ボーダーレスウィンドウ)ができるソフトウェアについて、液晶モニターの画面解像度とウィンドウモードで表示したゲーム画面の解像度が同じで、アスペクト比を維持したままウィンドウ枠を消去してゲーム画面を表示したい、といった用途でなら最適なツールとなります。
ただ、私が持っている WUXGA モニター (1920 x 1200 アスペクト比 16:10)ではこれらのソフトウェアを使用すると、ゲーム画面の解像度 1920 x 1080 (アスペクト比 16:9) では縦に引き延ばされるような解像度となってしまい、アスペクト比が崩れてしまいます。
そこで今回の記事では、ゲーム解像度(アスペクト比)≠モニター解像度(アスペクト比)でも、アスペクト比を崩さずゲーム画面を仮想フルスクリーン(ボーダーレスウィンドウ)に表示できるツール Borderless Gaming を使った設定方法 を紹介します。
Borderless Gaming 仮想フルスクリーンにするための基本的な使い方
GitHub で公開されている Borderless Gaming のインストーラーを ここからダウンロード します。
setup.exe と admin_setup.exe がありますが、両者の違いがわからなかったので、admin_setup.exe 版をインストールして今回は話を進めます。今回ダウンロードしたファイルは BorderlessGaming_8.4__admin_setup.exe です。
ちなみに、このソフトウェアは Steam で販売されていますが、GPL 2.0 に基づいたオープンソースソフトウェアのようなので GitHub で無償で配布されているそうです。
DARK SOULS II Scholar of the First Sin のグラフィックスオプション - ウィンドウモード時の選択できる解像度一覧で、フル HD の 1920 x 1080 までの解像度しか選べません。フルスクリーンなら 1920 x 1200 まで選択できます。
画像は DARK SOULS II Scholar of the First Sin のグラフィックスオプション - ウィンドウモード 解像度 1920 x 1080 で表示したゲーム画面です。
ゲーム画面のウィンドウをまるごとキャプチャーした画像で、実際にモニターで見えている領域そのままをキャプチャーしたものとなっています。
ウィンドウモード時はゲーム画面の上下左右に枠が表示されてしまうため、モニター解像度とゲーム解像度が縦横どちらかが同じ場合、モニター画面内にゲーム画面が収まっていない状態で表示されてしまいます。
縦 1200 のモニター解像度なのでこちらは問題なく全部モニター内に表示されているようにみえますが、ウィンドウ幅がモニター解像度と同じ 1920 のため、画面内左右のどちらかに表示されたウィンドウ枠の表示領域の分だけ、ゲーム画面が外にはみ出す状態となっています。(フル HD モニターなら上下表示されたウィンドウ枠の表示領域の分だけ、ゲーム画面が外にはみ出す可能性があります)
ウィンドウモードなのでマウスのドラッグ・アンド・ドロップや、画面表示位置の座標を指定できるソフトウェアを駆使すれば解決できそうな感じがしますが、今回はこのウィンドウ枠を丸ごと消去、ゲーム画面を指定した場所に配置、画面アスペクト比を崩さない、といった方法をなるべく手間をかけずにツールで簡単にできるよう試してみます。
インストールした Borderless Gaming を起動します。
Applications 欄には現在稼働中のソフトが一覧で表示されます。
DARK SOULS II Scholar of the First Sin を起動すると Applications 欄に DARK SOULS II が表示されますので、選択して画像赤枠一番上にある 右向きの黒三角ボタン をクリックします。
Applications 欄にある選択済みの DARK SOULS II が 右側にある Favorites(automatic) 欄に登録されます。解除したい場合は登録された DARK SOULS II を選択した状態で、その下にある 左向きの黒三角ボタン を押します。
その下にある、上下左右の 外向き黒三角ボタン と 内向き黒三角ボタン は選択したゲーム・アプリをすぐにボーダーレスフルスクリーンにするボタンと解除を行うボタンです。
Borderless Gaming で Favorites(automatic) 欄に登録された DARK SOULS II Scholar of the First Sin が、(ゲームが起動中でウィンドウモードなら)自動的にウィンドウモードから仮想フルスクリーン(ボーダーレスウィンドウ)に切り替わります。
以後、Borderless Gaming が起動中なら、Favorites(automatic) 欄に登録したゲームがウィンドウモードで起動すれば、自動的に仮想フルスクリーンで表示されるようになります。
画像は WUXGA (1920 x 1200 アスペクト比 16:10) モニターで仮想フルスクリーン表示された DARK SOULS II Scholar of the First Sin のキャプチャー画像です。フル HD モニターなら問題ありませんが、私が使っているモニターが WUXGA で縦方向にゲーム画面がいっぱい延びているため、アスペクト比が崩れています。
画像のようにアスペクト比が崩れるような場合、次に紹介するようなやり方で解決することができます。
Borderless Gaming 仮想フルスクリーンの表示位置・画面サイズのカスタマイズ方法
Favorites(automatic) 欄に登録された DARK SOULS II を右クリックして、No Size Change をクリックします。通常はこの変更だけでアスペクト比が崩れることなく、ゲーム解像度画面のままウィンドウ枠が非表示になります。
もし、No Size Change に変更しても想定したウィンドウモードにならなかったり、ウィンドウ表示位置や画面サイズをカスタマイズしたい場合は次の設定をします。
続けて、Favorites(automatic) 欄に登録された DARK SOULS II を右クリックして、今度は Set Window Size をクリックします。
Would you like to select the area using your mouse cursor? If you answer No, you will be prompted for specific pixel dimensions. というメッセージが表示されますので、いいえ ボタンをクリックします。間違ってはいボタンをクリックした場合は ESC キーを押せばキャンセルできます。
これは指定したソフトウェア(今回は DARK SOUL II) の画面サイズをマウスカーソルのドラッグ・アンド・ドロップで指定するかどうかのメッセージ内容です。いいえを選択した場合は、座標とウィンドウサイズの数値を入力するための画面が表示されます。
仮想フルスクリーンのウィンドウ左上角の X 座標を指定する画面です。ここでは X 座標 を 0 に設定します。X 座標 0 の場合は画面の一番左端の位置になります。
仮想フルスクリーンのウィンドウ左上角の Y 座標を指定する画面です。ここでは Y 座標 を 0 に設定します。Y 座標 0 の場合は画面の一番上側の位置になります。
X、Y 座標ともに 0 の場合はモニター画面の左上隅を基準に、仮想フルスクリーンを表示することになります。
仮想フルスクリーンのウィンドウ幅をピクセルで指定します。ここでは DARK SOULS II Scholar of the First Sin のグラフィックスオプションで設定したフル HD と同じ 1920 を入力します。
仮想フルスクリーンのウィンドウ高さをピクセルで指定します。同じく DARK SOULS II Scholar of the First Sin のグラフィックスオプションで設定したフル HD と同じ 1080 を入力します。
仮想フルスクリーンモードで拡大縮小させることなくゲーム画面を表示させたい場合には、ゲーム内で設定した解像度と同じ解像度の数値を入力 することになります。
Favorites(automatic) 欄に先ほど設定した内容が反映され、Dark Souls II [0x0-1920x1080] と表示されました。
以後 Borderless Gaming を起動している状態でゲームを起動またはその逆の起動順序でも、設定した解像度と座標位置でゲームが自動的に仮想フルスクリーンで表示されるようになります。
モニター画面左上隅、原点座標(0,0)基準にゲーム解像度 1920x1080 でゲーム画面を表示することができました。ゲーム画面下側に縦 120 ピクセル分のデスクトップ画面が見えています。
先ほどの設定だと、モニター内上側ぴったりにゲーム画面が表示されてしまうので、これをモニターの上下間の隙間が均等になるウィンドウ配置の設定に変更してみます。
Favorites(automatic) 欄にある DARK SOULS II を右クリックして、Set Window Size をクリック、画像のように Y 座標 のみ 0 から 60 に変更 して、あとは先ほどの設定のまま変更はありません。座標位置の計算方法は次の通りです。
- 1200(液晶モニター解像度 縦ピクセル) - 1080(ゲーム解像度 縦ピクセル) = 120(ゲーム画面以外の縦ピクセル数)
- 120 / 2(画面上下間隔を均等にするため 2 で割る) = 60(ゲーム画面を表示する Y 座標の基準点)
上記式を使えば異なる解像度の液晶モニターとゲーム画面でも、上下左右間均等な場所に表示させたい場合に、XY 座標の位置を計算できます。
Favorites(automatic) 欄に先ほど設定した内容は反映され、Dark Souls II [0x60-1920x1140] と表示されました。Dark Souls II を起動してゲーム画面の表示位置をチェックします。
上下間の隙間が同じになるような形でゲーム画面を表示することができました。
以上で、Borderless Gaming を使って、モニター画面の表示解像度とゲーム画面の解像度が一致しない場合でも、XY 座標とウィンドウサイズを指定することでアスペクト比を崩さずに、モニター画面内に仮想フルスクリーン(ボーダーレスウィンドウ)でぴったりと表示することができました。
このツールでなくても、XY 座標とウィンドウサイズを数値指定できる仮想フルスクリーン(ボーダーレスウィンドウ)ツールであれば、おそらく同じことができるかと思います。それらの機能がほかのツールにあるかどうかまでは今回調べていません。
とりあえず、この Borderless Gaming を使えばアスペクト比を崩さず自由自在に画面表示を調節できそうなので、ほかのゲームでも当面お世話になるツールになりそうです。
PC 版 DARK SOULS III のゲーム画面も DARK SOULS II と同じ仕様でしたが、Borderless Gaming を使うことで仮想フルスクリーン(ボーダーレスウィンドウ)で表示できることを確認しています。
DARK SOULS III で 「Borderless Gaming → ゲーム」 の順序で起動するとゲームがクラッシュして起動できない現象がありました。「ゲーム → Borderless Gaming」 と起動する順番を変更してみたところ解決できましたので、もし Borderless Gaming を使ってゲームがエラーで起動しない場合は、ゲームを起動した後にツールを起動してみてください。
最新版 Borderless Gaming では Favorites(automatic) 欄に追加したプログラムに対して、右クリックで Delay Borderless Window が選択できるようになりました。この項目を有効にすることでゲーム起動時のクラッシュを回避できます。
「Set Window Size」 を使わずに 「Full Screen」 のままでも、同じメニュー内にある 「Adjust Window Bounds」 で上下左右画面端からのピクセル値を設定することで、「Set Window Size」 と同等の設定が可能です。
ウィンドウモードで表示したフル HD(1920x1080)解像度のゲーム画面を、WUXGA モニター(1920x1200)中央にウィンドウを固定したい場合、「Adjust Window Bounds」 を選択して、左右画面端からのピクセル値を 0 に、上画面端からのピクセル値を 60、上画面端からのピクセル値を -60 を指定します。
Borderless Gaming 日本語化
日本語が実装されてました。
Borderless Gaming が日本語で表示できるようになっていましたので、日本語ファイルを導入してみました。
こちら から最新版日本語ファイルをダウンロードします。今回ダウンロードしたのは 「Borderless Gaming_20180509.zip」 (2018年8月時点) です。
日本語ファイルの導入方法については同梱の readme.txt に記載してあります。
- Borderless Gaming インストール後、一度起動して終了する(次の設定フォルダ生成のため)
%USERPROFILE%\AppData\Roaming\Andrew Sampson\Borderless Gaming\Languages
(C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Roaming\Andrew Sampson\Borderless Gaming\Languages
) フォルダに日本語ファイル 「ja-JP.lang」 を置く- Borderless Gaming を起動して Options → Select Language → 日本語(日本) をクリック
- 「Borderless Gaming を再起動して変更を有効にする必要があります。今すぐ再起動しますか?」 画面で、はいボタンクリックして再起動
- Borderless Gaming のメニューや項目が日本語になれば成功
Borderless Gaming CPU 使用率の発生頻度を抑える方法
Borderless Gaming を使うためにはタスクトレイに常駐してある必要がありますが、CPU 使用率は高くないもののタスクマネージャーでチェックすると、ちょくちょく数%に跳ね上がる時があり気になっていたことがありました。
そこで Borderless Gaming にある Use Slower Window Detection(低速ウィンドウを検出) にチェックマークを入れてみたところ、CPU 使用率の発生頻度がわずかですが抑えることができました。
Borderless Gaming の CPU 使用率発生頻度を抑えたい場合は Use Slower Window Detection(低速ウィンドウを検出) にチェックマークを入れてみると改善できるかもしれません。
CPU 使用率の発生頻度の確認には System Explorer の CPU Average 項目で判断しています。
Borderless Gaming その他情報
Borderless Gaming でボーダーレスウィンドウにできるゲームは基本的にウィンドウモードがあるゲームのみです。
フルスクリーンモードしかない古いゲームなどでは、DxWnd を使うことでウィンドウモード+ボーダーレスウィンドウに設定できる可能性があります。
ウィンドウモードがあるゲームでもゲームエンジンに Unreal Engine 3 を使ったゲームには Borderless Gaming は対応していないことがあるため注意してください。
以上のように、ウィンドウモードの有無とゲームエンジンによってはボーダーレスウィンドウツールを使い分ける必要があります。
類似ツールとして2019年に Steam から Magic Borderless がリリースされています。所有していないため使い勝手などはわかりませんが、精力的なアップデートが続いており Borderless Gaming にあった不満点は解消できるかもしれません。
- PC ゲーム Hunted: The Demon’s Forge 日本語化とゲームプレイ最適化メモ → DxWnd を使った Hunted: The Demon’s Forge ウィンドウモード設定
- サバイバルホラーアドベンチャー PC ゲーム SILENT HILL HOMECOMING 日本語化とゲームプレイ最適化メモ → フリーソフト DxWnd - PCGamingWiki による設定方法(個人的に推奨)
- サバイバルホラーアドベンチャー PC ゲーム SILENT HILL 4 THE ROOM ゲームプレイ最適化メモ → SILENT HILL 4 THE ROOM - ウィンドウモード設定(DxWnd)
- PC ゲーム Full Spectrum Warrior 日本語化とゲームプレイ最適化メモ → PC ゲーム Full Spectrum Warrior - DxWnd を使ったウィンドウモード設定(Steam・GOG 版共通)
- PC ゲーム Full Spectrum Warrior Ten Hammers 日本語化とゲームプレイ最適化メモ → PC ゲーム Full Spectrum Warrior Ten Hammer - DxWnd を使ったウィンドウモード設定(Steam・GOG 版共通)
- PC ゲーム Etherlords 日本語化とゲームプレイ最適化メモ → DxWnd を使った Etherlords ウィンドウモード設定方法
- PC ゲーム Etherlords II 日本語化とゲームプレイ最適化メモ → DxWnd を使った Etherlords II ウィンドウ化方法
- Borderless Gaming を使ってゲーム画面のアスペクト比を維持したまま、ウィンドウ枠を消去してボーダーレスウィンドウ(仮想フルスクリーン)でゲーム画面を表示する方法(現在開いているページ)
- Steam 版 ダークソウル(DARK SOULS Prepare To Die Edition) の完全日本語化と MOD 導入ガイド
- PC 版 DARK SOULS III パッケージ版限定特典 特製マップ&オリジナルサウンドトラック付 を購入しました
- PC 用 DirectX 11 対応版 DARK SOULS II SCHOLAR OF FIRST SIN (数量限定特典同梱) パッケージ版を購入しました
- PC版 DARK SOULS で DSfix を使ってプレイ中に保存したスクリーンショットを公開します 準備編