Steam 版 Jet Set Radio 日本語化メモ (Dreamcast Collection)
Steam 版 Jet Set Radio の日本語化メモです。
Steam 版 Dreamcast Collection の中で Jet Set Radio のみが exe ファイルをバイナリエディタで書き換えて日本語化する方法となっています。ただ現バージョン(2019年3月時点)ではインターフェース部分のみの日本語化されるだけで、それ以外の部分は日本語化にならない仕様です。
調べてみるとこのゲームがリリースされた初期バージョンでは問題なく日本語化できたようですが、その後のアップデートで日本語リソースは削除されなかったものの、exe ファイルが変更したことによりこのやり方は通用しなくなったようです。
初期バージョンはロードが遅かったり、fps が一桁になるなどいろいろとプレイに支障があった経緯があり、アップデートにより改善されましたが、結果的に以前のような日本語化ができなくなってしまいました。バイナリ書き換え箇所と思われる内容はそのまま残っていますが、書き換えてもメニューのみのが日本語化されて、以前のような日本語化はできません。
過去に Steam で古いファイルをダウンロードする方法が見つかり、うまく旧バージョンに戻せれば日本語化できそうでしたが、すでに試したユーザーによると以前の状態に戻すことができずダメだったようです。
ほぼ諦めかけていたのですが、Steam コミュニティにて運よく旧バージョンの改造版 exe ファイルを公開している人を偶然見つけて、この exe ファイルを使うことで条件付きながらも日本語化で動作することが確認できましたので、その内容を紹介します。
Steam 版 Jet Set Radio 日本語化方法
Steam 版 Jet Set Radio の日本語化は単純に旧バージョンの exe を手に入れて、バイナリエディタで書き換えるだけです。やり方もネット上にある方法ですが、問題はどうやって旧バージョンの exe ファイルを手に入れるかでした。
いろいろ調べたところ、Steam コミュニティにある Jet Set Radio 総合掲示板にあるトピック 「 [Updated] Unofficial FPS / slow loading patch」 のコメント にて旧バージョンの改造版 exe ファイルを公開している人がいましたので、コメントの URL から jetsetradio.exe をダウンロードします。
この改造版 exe ファイルですが、初期バージョンで問題だった低フレームレートでゲームプレイができない問題を、60 fps 化に改造してプレイできるようにしたものです。
ただ、60 fps のままだとゲームが倍速で動作してしまうため、次の見出しで説明する ツールを使ってフレームレートを 30 fps に制限 する必要があります。
ダウンロードした jetsetradio.exe をバイナリエディタで書き換えて日本語化します。今回 Stirling というバイナリエディタを使って説明します。
Stirling を起動して jetsetradio.exe を開きます。(ドラッグアンドドロップでも可)
メニューの検索・移動 → 指定アドレスへ移動画面を開き、17179A と入力して OK ボタンをクリックします。
jetsetradio.exe のアドレス 17179A に移動したら 0F 84 01 01 となっているところ E9 DA 00 00 に書き換えます。
この書き換える内容はネット上にある旧バージョンの日本語化とまったく同じ方法です。
次に jetsetradio.exe のアドレス 214700 217400 に移動して、小文字の save を大文字の SAVE に書き換えて保存します。(アドレスが間違っていました。コメントでのご指摘ありがとうございます)
バイナリエディタで jetsetradio.exe 書き換え後のハッシュ値は以下の通り。上記同じ手順で書き換えた後にハッシュ値が異なってしまった場合、ゲームが途中で落ちる可能性があります。
- CRC ・・・ 4BEAC514
- MD5 ・・・ 7DCD6F7FAEF111210218A73EE82AFC3C
日本語化には関係ないですが、私の環境では旧バージョンの改造版 jetsetradio.exe を使うとセーブはできるがロードができず、ロードすると最初からゲームが始まってしまう現象がありました。
これは セーブデータが保存されるフォルダ名が大文字の SAVE になっており、バイナリエディタの書き換え対象箇所が小文字の save になっているため、プログラムがこれを厳密に違うものと判断してしまうためにロードができないようです。(参考情報)
レジストリ内では大文字の SAVE と記述された箇所がいくつかあるので、その辺も関係しているかと思われます。
この場合バイナリエディタで jetsetradio.exe を開き、小文字の save を大文字の SAVE に書き換える ことで解決できます。
バイナリエディタで書き換えた jetsetradio.exe を、ゲームがインストールされているフォルダにある同名の jetsetradio.exe と差し替えます。
ゲームを起動して日本語で表示されれば成功です。
ただ、ネットからダウンロードした改造版 jetsetradio.exe は、60 fps で動作するためゲームスピードが速くなり、このままではまともにゲームプレイができません。Jet Set Radio は 30 fps 仕様のゲームのため、フレームレートを制限する必要があります。
次に フレームレートを 30 fps に制限 する方法を説明します。
Steam 版 Jet Set Radio フレームレート 30 fps 化(上限制限)
DEC というツールを使って Jet Set Radio のフレームレートを制限します。
DEC をダウンロードして展開・解凍したら d3d9.dll と dec.ini を、Jet Set Radio がインストールされているフォルダに配置します。
テキストエディタで dec.ini を開き、Limit を 30.0 に書き換えて保存します。
ゲームを起動して正常な速度しているかどうか確認します。
ちなみに 30 fps にフレームレートを制限できるツールであれば DEC 以外でもかまいません。
たとえば MSI Afterburner に一緒にインストールされる Rivatuner Statistics Server でも同様な設定が可能です。
30 fps に制限することでゲームが正常にプレイできますが、デメリットとしてゲームのロード時間が長くなってしまう現象があります。
最新版ではローディングがほぼ一瞬で終わりますが、旧バージョン改造版 exe + 30 fps 制限では、ロード画面が表示するたびに 5 ~ 10秒ほどかかります。
Steam 版 Jet Set Radio ボーダーレスウィンドウ化
Jet Set Radio のウィンドウ設定はフルスクリーンかウィンドウモードしか選択できませんが、setup.dat をバイナリエディタで書き換えることでボーダーレスウィンドウで起動 することができます。
バイナリエディタで setup.dat を開き、アドレス 19 の 00 を 01 に書き換えて保存します。
注意点として Steam ライブラリからゲームを起動すると、ゲームが起動する前に表示される設定画面で何らかの設定を変更すると、その変更内容が setup.dat に上書きされてしまい、ボーダーレスウィンドウ化が解除されてしてしまいます。
その場合は再度 setup.dat を書き換えて、設定画面では変更しないようにしてゲームを起動します。Steam からではなく直接 jetsetradio.exe を実行すれば設定画面は開かずゲームを起動できます。
Steam 版 Jet Set Radio 日本語化確認
Steam 版 Jet Set Radio を日本語化した際に気になった点をピックアップします。
クレジット表記はデフォルトで海外版スタッフのみしか表示されません。
日本人スタッフを表示したい場合は海外版クレジットファイル credits.txt のファイル名を変更または移動もしくは削除なりして、credits_JP.txt を credits.txt にファイル名を変更します。
Jet Set Radio 日本語化後の遊び方の INTRO は英語のままです。
Jet Set Radio インストール先の CUSTOM フォルダにある instructions.txt の英語部分を日本語に書き換えれば、とりあえず日本語を表示することは可能です。
ただ、一部の漢字が表示できないうえに入力内容になんらかの不備があるとゲームが落ちます。
このあと紹介する アンパックツール を使うことで、コンソール(コンシューマー)版(PS3、Xbox360、PS VITA)と思われる日本語の画像説明書ファイル(.dds)に展開できますので、ゲーム内では表示できませんが dds ファイルを開けるソフトがあれば中身を見ることはできます。
Jet Set Radio ボーナスの 「ジェットセットラジオ ドキュメンタリー」 ビデオについて、ゲームを日本語化しても字幕は英語で再生されます。
Jet Set Radio インストール先の DATA\VIDEOS
フォルダに日本語字幕ファイルの Awakening_JP.srt がありますが、名前を変更してもゲーム内ビデオでは日本語字幕を表示することができませんでした。
別のフォルダに Awakening.ogv と Awakening_JP.srt をコピーして、動画再生ソフトで動画と字幕を再生するしかないかと思います。
日本語化した Jet Set Radio のスクリーンショットを公開します。以下、クリックすると確認できます。
Steam 版 Jet Set Radio アンパック・リパックツール JsrArclTool
Steam コミュニティに Jet Set Radio のアンパック・リパックツールが公開 されています。
これを使えば Jet Set Radio の拡張子 ARC ファイルをアンパックして、ファイルの中身を見ることができます。
使い方は JsrArclTool.exe に ARC ファイル(FONTS.ARC、IMAGES.ARC、MUSIC.ARC、SOUNDS.ARC)をドラッグアンドドロップするだけです。複数の ARC ファイルを選択してドラッグアンドドロップしても動作しないので、1個ずつ作業します。また、このツールは リパックもできる ようです。
ARC ファイルをアンパックすると 「ARC ファイル名_extracted」 というフォルダが作成されて、その中にファイルが展開されます。
アンパックしてできた 「ファイル名_extracted」 フォルダにあるファイルをすべて CUSTOM フォルダに展開することで、上の画像のように ARC ファイルなしでゲームを動作させることができます。
そのため、入れ替えたファイルの動作確認をしたい場合は、わざわざリパックする必要がありません。
ただし、対応しているのは FONTS.ARC、IMAGES.ARC、SOUNDS.ARC をアンパックしたデータのみで、MUSIC.ARC はアンパックしても読み込みません。
その他、効果音や BGM ファイルがなくてもゲーム自体は起動できますが、画像ファイル(IMAGES.ARC やアンパックした画像データ)やフォントファイル(FONTS.ARC やアンパックした fnt ファイル)がないとゲームが起動しなかったり、ファイルが見つからないため途中で落ちたりします。
アンパックした IMAGES.ARC に含まれている 「PS3、PSVITA、X360」 フォルダには、日本語のコントローラーボタンファイル(.png)や説明書画像ファイル(.dds)が入っており、ゲーム中に読み込まないため削除しても問題ありません。
ゲーム中に表示されない画像ですので、コンソール(コンシューマー)版の日本語プレイ方法をみたい場合は dds ファイルを開けるソフトで閲覧することになります。
ANDROID フォルダもありますが、関係のないファイルが入っているだけでこちらも実質使われていないようです。
アンパックした IMAGES.ARC に含まれている 「PS3、PSVITA、X360」 フォルダに入っているコントローラーファイルを、CUSTOM フォルダに展開した同名の画像ファイルと差し替えることで、ゲーム内のコントローラー画像とボタン画像を変更することができます。
アンパックした IMAGES.ARC に含まれている、PS3 フォルダに入っているコントローラー・ボタンファイルを、CUSTOM フォルダに展開した同名の画像ファイルに差し替えた状態でのゲームのスクリーンショットです。
デフォルトの Xbox 360 コントローラーから PS3 のデュアルショック 3 コントローラーとボタン画像に変更されているのが確認できます。ただ、ゲーム中コントローラーボタン画像が反映しないところがありましたので、すべて置き換わるようではないみたいです。
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