Excel および Excel Visual Basic Editor(VBE)を快適に使うための環境設定メモ
Excel で Visual Basic Editor(VBE) を多用する場面が多くなり、せっかくなのでこの機会に Excel と Visual Basic Editor(VBE)を快適に使うようにするための設定内容をまとめました。
この記事で紹介する設定対象の Excel バージョンは Excel 2019 です。
Excel 2019 オプション設定内容
Excel 2019 のオプション設定画面を開きます。
Excel 2019 の場合、インストール直後の初期設定状態であればおそらく最初からスタート画面(最近使ったアイテムなど)が表示されます。その場合であれば画面左側にある緑背景のメニューリストの一番下に「オプション」があるので、それをクリックすればオプション画面が開きます。
Excel 起動後シートが表示されるようになっている場合はメニュー「ファイル」をクリックするとホーム画面に切り替わります。
アクセシビリティ - Excel 起動時のスタート画面からシート表示に変更
Excel 起動時にスタート画面ではなくシートをデフォルトで表示する方法です。
スタート画面を使うことはないのでファイルを開いたら、最初にシート画面が表示されるようにしています。
Excel オプションにある「アクセシビリティ」から、「アプリケーションの表示オプション」にある「このアプリケーションの起動時にスタート画面を表示する」のチェックマークを外します。
アクセシビリティ - Excel 操作アニメーションオフ
Excel 操作時のアニメーション表示をオフにする方法です。
Windows のアニメーション表示をすべて無効化したりメニュー表示速度をほぼ最速設定にしているため、同様に Excel でのアニメーションもオフにします。
Excel オプションにある「アクセシビリティ」から、「操作の結果のオプション」にある「操作をアニメーションで表示する」のチェックマークを外します。
詳細設定 - ハードウェアグラフィックアクセラレータ無効化
Excel のハードウェアグラフィックアクセラレータを無効化する方法です。
特に問題があったわけじゃないですが、ネット上で割と紹介されている内容なのでとりあえず設定しています。
Excel オプションにある「詳細設定」から、「表示」にある「ハードウェア グラフィック アクセラレータを無効にする」にチェックマークを入れます。
詳細設定 - オートコンプリートオフ
オートコンプリートをオフにする方法です。
入力候補の表示は邪魔なので、この手の入力サポート機能は極力オフにしています。
Excel オプションにある「詳細設定」から、「編集オプション」にある「オートコンプリートを使用する」のチェックマークを外します。
文章校正 - オートコレクトオフ
オートコレクトをオフにする方法です。
自動修正機能と呼ばれるもので入力した内容によっては勝手に修正する機能です。意図しない内容に勝手に書き換えられるのは邪魔なため、オートコンプリートと同様この手の入力サポート機能も極力オフにしています。
Excel オプションにある「文章校正」から、「オートコレクトのオプション」にある「オートコレクトのオプション」ボタンをクリックします。
「オートコレクト」タブにあるチェックマークをすべて外します。
「入力オートフォーマット」タブの「入力中に自動で変更する項目」にある「インターネットとネットワークのアドレスをハイパーリンクに変更する」のチェックマークを外します。
数式 - 計算モードを自動 → 手動に変更、保存前の再計算オフ
シートの計算モードを自動 → 手動に変更し、保存前の再計算をオフにします。
データ件数が少ないのであれば自動で問題ないですが、データ件数が多くなると関数や式で自動計算させるとかなり重くなります。ファイル内容次第ですが、任意のタイミングで計算させるために計算モードを自動から手動に変更、保存前の再計算をオフにしています。
Excel オプションにある「数式」から、「計算方法の設定」にある「自動」から「手動」に切り替えて、「ブックの保存前に再計算を行う」のチェックマークを外します。
上記設定後、データが更新された場合、メニュー数式から再計算を手動で行うことになります。
数式 - バックグラウンドエラーチェックオフ
セル左上に表示されるエラーインジケーター(緑色の三角形)をオフにする方法です。
エラーインジケーターが表示される条件はその下にある「エラー チェック ルール」にチェックしたものが判定されます。私の環境ではとりあえずエラーチェックは行わないようにオフにしています。
Excel オプションにある「数式」から、「エラー チェック」にある「バックグラウンドでエラー チェックを行う」のチェックマークを外します。
Excel 2019 - Visual Basic Editor(VBE)オプション設定内容
Excel 2019 の Visual Basic Editor(VBE)オプション設定画面を開きます。
Excel 2019 起動後、キーボードの Alt キーを押しながら F11 キーを押すと Visual Basic Editor(VBE)画面が開きます。
Visual Basic Editor(VBE)画面のメニュー「ツール」→「オプション」をクリックすればオプション画面を表示できます。
編集タブ - コードの設定 - 「自動構文チェック」オフ
VBE でコード入力中の構文エラーによるエラーダイアログを表示しないようにします。
VBE のオプション設定画面で、編集タブ - コードの設定 - 「自動構文チェック」のチェックマークを外してオフにします。
編集タブ - コードの設定 - 「変数の宣言を強制する」オン
変数のスペルミスや型違いによるエラー発生防止のため設定をします。
VBE のオプション設定画面で、編集タブ - コードの設定 - 「変数の宣言を強制する」にチェックマークを入れてオンにします。
編集タブ - コードの設定 - 「自動インデント」の「タブ間隔」を 4 → 2 に変更
Tab キーを押したときのインデントのタブ間隔を変更します。
VBE のオプション設定画面で、編集タブ - コードの設定 - 「自動インデント」 - 「タブ間隔」を 4 から 2 に変更します。
エディターの設定タブ - コードの表示色 - キーワード、識別子の文字カラー変更
VBE のコードを見やすくするためにコード表示色を変更します。
こちらの動画 を参考に VBE のオプション設定画面で、エディターの設定タブ - コードの表示色にある「キーワード」の前景を青に、「識別子」の前景を暗めの赤に変更しています。
エディターの設定タブ - フォントとサイズ変更
VBE のコードを見やすくするため こちら を参考に、プログラミング用フォント Myrica をインストールして VBE のフォントに設定します。
プログラミング用フォント Myrica インストール後 VBE のオプション設定画面で、エディターの設定タブ - フォント名に「Myrica Monospace(日本語)」を設定します。
フォントサイズはコードが画面内で、ある程度見渡せるように 12 に設定しました。フォントサイズが小さいと感じるようであれば、この数値を増やしてフォントを大きくします。
上記画像はここで紹介した以下の VBE 設定に加えてフォント改善アプリとカスタマイズ済み Windows 環境での VBE コード表示内容です。
- コード表示色 - 「キーワード」前景 - 青
- コード表示色 - 「識別子」前景 - 暗めの赤
- フォント「Myrica Monospace(日本語)」
- フォントサイズ 12
- MacType 2021.1-RC1 有効
- Windows 背景色をレジストリで RGB 221 221 221 に変更
VBE コメントアウトキーボードショートカット設定
VBE で複数行のコードをキーボードのショートカットでコメント設定と解除ができるようにします。
設定方法については以下の参考サイトの内容に従い、Alt キーを使ったコメントのショートカットを設定しています。
参照設定 - Microsoft Scripting Runtime 設定(事前バインディング)
Excel VBA では FileSystemObject をよく使うので VBE の参照設定で事前バインディングしておきます。
Visual Basic Editor(VBE)画面のメニュー「ツール」→「参照設定」をクリックします。
参照可能なライブラリ ファイル内にある「Microsoft Scripting Runtime」にチェックマークを入れます。
注意点として参照設定(事前バインディング)の場合、ファイル単位でしか設定を保存できないため、新しい Excel ファイルを作成するたびに参照設定が必要となっています。
ちなみに Dictionary オブジェクトを利用する際に事前バインディングや実行時(遅延)バインディングをしなかった場合、実行時に「コンパイル エラー:ユーザ定義型は定義されていません。」というエラーメッセージが表示されます。
その他:「イミディエイトウィンドウ」「ローカルウィンドウ」「ウォッチウィンドウ」について
デバッグでコード実行中の変数や配列の値の中身を確認したいときに「イミディエイトウィンドウ」、「ローカルウィンドウ」や「ウォッチウィンドウ」を活用しています。
特別設定することはありませんが、複雑なコードを実行したときの値の変化や意図した実行結果になっているかどうか、エラーが発生した時の値はどうなっているのかを確認できるように、使い方について把握しておいたほうがよいでしょう。
その他:正常に動作していたすぐに処理が終わる VBA を実行すると処理時間が長くなる・終わらなくなる現象
すでに動作確認が取れている VBA を実行したところ、いつもより処理時間がかかったり、処理が全く終わる気配がない現象に遭遇することがありました。
トラブルを確認するまでの経緯を思い返してみると、問題が発生している・していない VBA コード内容にかかわらず、明らかに処理時間がかかる(必ず処理は完了するが数分はかかるなど)VBA コードを実行中、処理終了まで待てなくなり手動で Excel ごと強制終了するといった操作をしていました。
どうやら VBA 実行中に処理を終わらせる前に強制終了した際に、Excel のプロセスが残った状態のままになることがあります。その状態のまま、再度ブックを開いた後に VBA を実行すると、処理時間が長くなる or 終わらなくなるといった問題が起きるようです。
Excel 強制終了後にタスクマネージャーに残った Excel プロセスを終了させてから再度ブックを開くことで、VBA の処理が正常に終わるようになります。
なんらかの理由で Excel を強制終了した際にはタスクマネージャーにプロセスが残っていないかどうか確認し、プロセスが残っていたら終了してから再度ブックを開くようにしたほうがよいでしょう。